というわけで要望があったので昔書いた始祖ドラ調整記(ちょっと手直し)。
ワールドゴージャー解禁でにわかに使い始める人が出てきて、すねたくなるような、研究が進むから嬉しいような、複雑な心境。
デッキについては http://withmk2.diarynote.jp/201105092100102222/ を参照で。

まず最初の基準は当然ながら《隠遁ドルイド/Hermit Druid(STH)》だった。
つまり、プレイ2マナ+起動1マナ+餌用1マナ+召喚酔い?マナ=4マナ+αで勝ちの1枚コンボということ。

ただ、当然それゆえに、対策されやすい。特に1ターン待たなければいけないのは相当の弱点で。
対応策として速攻を持たせるという案は、カードが1枚増え、結局は2枚コンボになり、マナもかかる。
それは1枚コンボで軽いというハーミットの利点を失っているし、そもそもハーミット1枚に頼りきりはデッキとして弱い。

そこで二の矢が必要になったわけだが、当然ながら、無限コンボは環境柄いくらでもあって、選定するにあたって、ひとつの基準としてハーミットの合計4マナはわかりやすかった。
当然、最強のデッキ()をやるからには目指したかったわけで、ハーミット以外はほぼ全て(最低)2枚コンボだったので、2枚合わせて4マナを超えるコンボは積むに値しないの基準をつけることができた。
その結果、残ったコンボがセファコーとアルーレン。両者共に2枚コンボながら、片方は1+2=3マナ、もう片方は4マナ、の2枚コンボと条件を満たした。

前者はハーミットの弱点であるソーサリーで妨害されず合計3マナと軽い奇襲性、後者は墓地対策にひっかからない、と、それぞれにメリットがあった。

まーアルーレンに気がついたのは徴募兵を普通にサーチカードとして投入してからですけどね。


さて、ここでセファコーを積むにあたって、コーの方には《コーのシャーマン/Shaman en-Kor(STH)》など最軽量の《コーの遊牧民/Nomads en-Kor(STH)》に限らず複数の代用があった。

当初は3マナの《コーの先導/Outrider en-Kor(TSP)》まで積み、ハーミットより奇襲性の高かったセファコーでそれなりに勝ち星をあげた結果、サーチはもっぱらセファコーのハンドにない方、となり、下手なサーチを積むよりセファコーの追加を入れた方が強いという流れから、

ここで「3マナ以上のサーチカードは重い」、という基準ができた。(決して《Grim Tutor(S00)》高くて入れたくないからじゃないんだからネっ)
実際、当時も今もこのデッキにおいて、3マナかけてカード1枚もってくるのは効果として弱すぎたし。

ただ重いというのはコンボでも同じことで、せっかくの2枚コンボながら軽さが売りのセファコーなのに重たいものを入れていたら矛盾だし、複数入れてハンドに被ったとき弱いというブルジョワの指摘により、各種コー軍団が抜けていった。
当時は《手甲/Shuko(BOK)》や《稲妻のすね当て/Lightning Greaves(MRD)》に加えて《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》と《鋼打ちの贈り物/Steelshaper’s Gift(5DN)》まで入っていたのだから、ダボつくのも当然であるが。

さて、しかしながら「3マナ以上のサーチが重い」という基準により、ドローについてもハンドが増えず、ただ掘るだけのものは検閲されていった。だって、3マナで好きなものもってこれるのが弱いのに、2マナで不確定に掘りに行くのはアクションとしてもっと弱い。

結果、1マナドロソはブレストポンダー定業、そして《エピティアの賢者/Sage of Epityr(TSP)》となった。え?《エピティアの賢者/Sage of Epityr(TSP)》?弱くない?いや、4枚掘れて、生物であることが大事なこのデッキでは定業より上です。
ちなみに生物であることは1マナ軽くなるぐらいの換算ができるメリット。後述はするかも?

ここで、《Mystic Remora(ICE)》と《リスティックの研究/Rhystic Study(PCY)》を抜くが問題だった。複数引けるので、マナコストとしては悪くない。
が、実戦したらすぐ抜けた。結局は相手依存のドローという特徴がゲームをスローダウンさせることはあるも、そもそもこのデッキの方向性はスピードによる殺意で、そのときこのデッキが求めているのは相手を遅くするとかそういうカードではなく、妨害されてすっからかんになったハンドを補充する大量ドローなどのリカバリー能力だった。

《むかつき/Ad Nauseam(ALA)》や《死より得るもの/Necrologia(7ED)》、Xドロー。これらも実戦で投入した際重さが難点すぎて使えなかった。そりゃ、そうだ、4マナあったら勝てるデッキなんだし。
《頭蓋骨絞め/Skullclamp(DST)》も餌が必要でデッキをよせなければいけない割りにマナ比率はよくて3マナ2ドローからの2Xで、要するに重かったし、餌もいなかった。つまり?NG。

結果、コンボと同じく4マナより軽いカードであることが条件に加わり、リカバリーをこなせるという条件に該当するのは《Wheel of Fortune(3ED)》と《Timetwister(2ED)》だった。

その2つはドロー能力としては十分であったため、他人にも引かせるデメリの方の検討が行われた。
が、アドを失うサーチ、各カードの軽さを考えた結果、このデッキの方がハンド先に使いきるし、何より1tにうって強制マリガンさせられるのが楽しすぎた。

また、特に《Timetwister(2ED)》はデッキの中にカードが残っている方が使いやすいので(サーチカードが多いため)必須とも言える。ウーズがいるのに墓地を掃除してしまうのはデメリじゃないの?とも思ったが、発掘絡みの不安定な掘り方をせず、掘るときは適者を使うとき以外は隠遁orセファコーで一気に全部掘るので、むしろ中途半端にパーツが落ちてそこを墓地対策でリムーブされることがなくなりメリットとも言えた。

蛇足だが、EDHにおいて《Timetwister(2ED)》が常にどんなデッキでも強いか、というと実は怪しい。リクーにはおそらく入れない方が強い、結局ジェネラルがいれば自分でカードを補充できるし墓地を掃除したくない・相手にカードを引かせたくない、と、それなりのパワーカードではあるもののデメリもあって入れない方がよかった。盲目的に入れるべきではない、これは他のどんなカードでも同じで、改めて必須かどうか検討していくことが重要。

実際入手するとしたら、安い買い物ではないのだし(ってか玉璽といい徴募兵といい俺の財布涙目)、使ってみて実はいらなかったーっとなるくらいなら先にプロキシで試してみるのはアリだと思う。

さて、話もそれてしまったし、この辺で一旦その1は糸冬。
続きはあるけど、いつあげるかは俺の体調に聞いて下さい。


あ、墓地対策の話。

自分の周りで見るのは、トーモッド、黒スペルボム、忌み者、変成リムーブ、かな。
遺産があまりいない(いなくなった)理由は簡単、重いから。自分の始祖ドラみたいなの見ればわかるとおり、基本速度は墓地対策の必要をせまるデッキの方が早い。
そんなデッキに対して、一度しか使えない上に、1マナで出してさらに1マナ立て続けるのは遅い。それこそ軽いピン除去を入れたほうが丸くて強い。(実際先手2t全部掘った、後手1t遺産?マナ出るの?出ない?お疲れってゲームはチラホラあった。)

特に茶の対策はソーサリータイミング置きで見えているので、ケアできるのもマイナス。
《Timetwister(2ED)》のところで書いたように、掘るときに一気にしか掘らないようにつくったので、中途半端に掘ってパーツ抜かれた、終わった、がない。逆に発掘系メインのデッキって、そーいうの後置きヌルやディッチャ・バウンスではケアできてないけど、どうしてるんだろ。

そういう意味では重くても変成リムーブはぶっささるからアリ。忌み者は専用カードながらスペルじゃないので、使われる側からすると最悪、終わってる。ケアできるのが一つしかない。

コメント

D
2011年7月3日12:37

ありがとう。
所々文章が難解でまるでクロスワードを解いているかのような錯覚に陥るぐらい面白いよ。
次も期待してるわ。
4人目はジョイラだと思うわ。

いとりな
2011年7月3日13:36

いつも読ませていただいます^^
>ひ
甘えがすごく気になりますww

katsu
2011年7月3日14:00

すごいわかりやすかったです。


締め付けは少し重いですけど相手の手札やデッキ次第ではそれだけで勝てることもありますよねw

ラッチ
2011年7月4日0:19

強い弱いの基準を非常に明確にされていて目から鱗でした。
他の記事も参考にさせて頂きます。

リンクさせて頂きました!

Withmk2
2011年7月4日5:34

>D
いえいえ、その言い方は本当によくわからない部分があるのか、煽ってるのかわかんないんすが・・・これでも手を入れたので・・・原文はまじ暗号。
ジョイラはS曰くハイパーデザイアデッキになったらしいですからねー異次元w

>いとうさん
甘えはほんとそのままの意味ですねー5色で何も考えずそう組んでる人間を皮肉ってるあまりいい言い方ではないんですけれど。

>katsuさん
最後の台詞、実は本当は自分が言ったのではなくて、他の人が言ったのをすげーなーと思って書いたんですよね・・・

>ラッチさん
はい、よろしくお願いします。駄文ばかりの日記ですが・・・

ともちん
2011年7月4日17:28

墓地除去は他のメタデッキへの影響が少ないし、大抵はピン除去、カウンターでも対処できてしまう。

でもフェアリーの忌み者は、ソープロが間に合わない先行1KILL止めれるからワンチャン!!

Withmk2
2011年7月4日17:48

そうなんですよね。墓地対策積むより、大概は除去とカウンターで事足りて。
先行1キルも普通にウィルでも止められてしまう、つまり、ウィル最強!

忌み者は生物が無駄にならないシナジーのあるデッキでないと採用されないのが救いですね、帝国徴募兵や適者生存みたいなのが採用されてるデッキ。

北陸MTG
2011年7月4日23:15

最強理論とても参考になりました。
リンクさせて頂きました!

junior
2011年7月9日18:41

初めまして!
とても参考になりました!

リンクさせて頂きます。

トキア
2011年7月10日11:34


始めまして!!

自分も5色デッキ組みたかったので参考になりました!!

一つ質問なんですが、キキジキコンボ入れないのはパーツを入れるスペースがないからですか?

リンクさせて頂きます。

Withmk2
2011年7月10日22:25

>北陸MTGさん
はい、よろしくお願いします。

>juniorさん
はい、よろしくお願いします。

>トキアさん
確かにスペースが勿体無いというのはあります、結局、キキジキ(+カーミック+やっかい)とウーズ(+つまみぐい+献身)があっても、一気に削ったときドレッドリターンの対象はひとつなので、両方は入れるだけ無駄なんですよね。

その上で、ウーズを選択した理由は複数あって、
まず、キキジキがインスタントのピン除去で妨害されるのはコンボとして弱いこと。コンバットしなきゃいけないので、全体に-1/-1かかっていてもアウトだったり。
そして、素引きして弱いパーツが前者の方が多いこと。キキジキは素だしが重いし色拘束も厳しい上に単品で出して大した仕事をしない、やっかいも単品でさほど仕事しない、カーミックは仕事はするけど、重い。という感じです。

トキア
2011年7月11日0:17


なるほど…確かにキキジキのマナ拘束はこのデッキのマナ基盤的にもキツイですし、ピン除去で止まるのもタフネス1なのも問題ですね。

コンボの質を高める、と言った意味では確かにキキジキは不適切ですね。

丁寧にご説明ありがとうございました!!

参考にさせて頂きます!!

Withmk2
2011年7月11日0:26

一応ですが、全体-1/-1というのは相方のやっかい児(または詐欺師の総督)が無限トークンできない、もしくは総督のパワーが0で殴っても勝てない、という意味です。キキジキ自体はタフ2ですので。大事なのはピン除去で落としてもコンボが止まるということなので、あまり気にしなくてもいいかもしれませんが。


トキア
2011年7月11日8:53


すいません汗

書き方が悪かったですね汗

仰るとおりだと思います。

長々と付き合って頂きありがとうございました!!

Withmk2
2011年7月11日11:03

いえいえ、こちらが杞憂の勘違いをしていたようですので汗
役立てたようなら幸いです。

というか、今気付いたのですが、もしかしてキキジキコンボというのはウーズ+キキジキ+モグファナ、の方を指していたのでしょうか?
その場合も理由は上とほぼ一緒です。
ピン除去で妨害されること、キキジキ単品が無駄はいなこと(まぁ、これはつまみぐいと相殺ですが)。さらに速攻を持たせるために何らかのカードが必要なこともあり、積んでおりません。
これも自分の勘違いだったら、見なかったことにして下さいね。

アキツン@てんつゆ
2011年7月12日22:56

初めまして、自分のEDHで始祖ドラを使っています。
質問なのですが、仮に2tにハーミットを起動したとして、その場合無限マナは出ますがシヴのヘルカイトも墓地に落ちてしまっている為、勝てないのではないでしょうか?
セファコープランの際に、ウーズセットが落ちる前にシヴヘルカイトが落ちてしまった場合にも該当すると思いますが、リスト内に墓地回収系のカードが見つからなかった為聞かせていただきました。
もちろん、ハンドからTimetwister打てばいいんですが…

もしカードを見逃してしまっていたらすみません。

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